礼金とはどういうものを言うのでしょうか?また礼金は値下げ交渉というのができるのでしょうか?
ここから礼金の基礎知識を交渉のタイミングと共に、詳しく解説します。
1.礼金ってなに?
まずは礼金とは何かみてみましょう。
1-1.礼金とは?
礼金とはお部屋を借りる際に、借主さんが家主さんにお礼としてお支払いをするお金の事です。
礼金は敷金と違って、退去の際に借主さんには返金されません。
礼金の由来は諸説ありますが、敷金より歴史は浅いようです。
関東を始めとして広まった「家主さんへの謝礼」の習慣のようです。
おそらく貸し手市場の中で生まれた習慣なのでしょう。
1-2.礼金はいくらくらい必要?
相場も地域によって様々に違いますが、単身者向けのお部屋ではお家賃の1~2ヶ月分が目安です。
下記は、三大都市圏の礼金の統計データです。
これを見ると、礼金は西高東低のイメージですね。
2015年度 首都圏の礼金
1ヶ月未満:18.2%
1ヶ月ちょうど:64.2%
1ヶ月超2ヶ月未満:1.7%
2ヶ月ちょうど:15.3%
2ヶ月超3ヶ月未満:0.0%
3ヶ月ちょうど:0.0%
3ヶ月超:0.6%2015年度 中京圏の礼金
1ヶ月未満:16.7%
1ヶ月ちょうど:50.0%
1ヶ月超2ヶ月未満:4.2%
2ヶ月ちょうど:16.7%
2ヶ月超3ヶ月未満:0.0%
3ヶ月ちょうど:0.0%
3ヶ月超:12.5%2015年度 近畿圏の礼金
1ヶ月未満:18.2%
1ヶ月ちょうど:22.7%
1ヶ月超2ヶ月未満:13.6%
2ヶ月ちょうど:18.2%
2ヶ月超3ヶ月未満:9.1%
3ヶ月ちょうど:9.1%
3ヶ月超:9.1%
(参考出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「住宅市場動向調査」)
また、最近では借主さんがお部屋を借りやすいように、礼金が0円のお部屋もだんだんと増えてきているようです。
1-3.いつ支払いするの?
礼金は賃貸借契約の締結時に、敷金や前家賃、保証料、保険料などの諸費用と一緒に、仲介業者さんにお支払いをするのが一般的です。
1-4.敷引とは?
敷引(しきびき)や、解約引き(かいやくびき)は、主に関西に多く用いられる表現で、礼金と同じような性質です。
敷金や保証金の名目で家主さんにお金を預けますが、解約時に一定の金額が差し引かれて、借主さんに返金されます。
その「一定の金額」が、敷引や解約引きと呼ばれます。
2.礼金って値引き交渉できるの?
では、礼金の値引き交渉についてみてみましょう。
2-1.礼金の値引き交渉について
大きくは、2パターンが考えられます。
一つ目は、家主さんが早めに空室を解消したいと考えているケースです。
この場合は、なんらかの事情で売れ残ったお部屋の可能性が高いです。
例えば、近隣の物件と比較して、駅が遠い、建物や設備が古い、駐輪場がない、などです。
このケースはじっくりと物件を吟味し、あなたにとって問題がなければ、一度交渉を試みてみましょう。
二つ目は、仲介業者さんが契約(売上)を欲しがっているケースです。
この場合は、営業の方や店長さんなどが、家主さんに一生懸命に交渉をしてくれます。
なかなか見極めが難しいのですが、何社か仲介業者さんにお部屋探しの相談をすると、まれに熱心な営業の方にあたる時があります。
この人なら!と思ったら一度交渉をお願いしてみましょう。
2-2.値引き交渉のタイミングは?
お部屋探しシーズンのピークは1月~3月が一般的です。
また4月には新社会人さんの配属などもあり、本格的な閑散期が5月から始まるからです。
ゴールデンウイーク、梅雨、猛暑、お盆と、借主さんの「お引越マインド」が下がる、この時期は家主さんも空室があれば困ってる時期なんです。
2-3.値引き交渉の方法は?
値引き交渉の方法も色々あります。
主だったものは、
- 「良いひとアピール」
- 「お部屋を気に入ってるアピール」
- 「たくさんの交渉をしない」
が効果的です。
2-3-1.「良いひとアピール」
家主さんから見て、困った借主さんというのは、近隣の入居者さんに迷惑をかけたり、お家賃を滞納したりする借主さんです。
そこで、例えば申込書を丁寧に記入してみるとか、お家賃を口座振替にしてみるなど、家主さんにアピールをしてみましょう。
2-3-2.「お部屋を気に入ってるアピール」
どの家主さんも、自分のお部屋をほめられると嫌な気にはなりません。
さらに、気に入ったお部屋なので、長く住みたいとアピールをすればより効果的です。
家主さんは入退去が発生すると、リフォーム代が必要になるので、長く住んでもらえると費用面で助かるものです。
2-3-3.「たくさんの交渉をしない」
これは、当然家主さんが嫌がるからです。
礼金は負けて欲しい、お家賃も少し下げて欲しい、入居日も自分の都合に合わせて欲しいなど、たくさんの交渉をすると、家主さんも落胆してしまいます。
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