敷金礼金なしの場合の初期費用はいくら?一人暮らしの初期費用について

敷金礼金無しアイキャッチ

新しく賃貸を考えている一人暮らしの方にとって、敷金礼金なしの物件は魅力的な部分が多くありますが、その場合の初期費用がいくらぐらいになるのでしょうか?

本記事では、一人暮らし敷金礼金なしの場合、初期費用はいくらになるのか、いくら安くなるのかについて解説していきます。

1.賃貸契約にかかる初期費用とは?

賃貸契約時にかかる初期費用は、様々なものが含まれています。

まずはどんなものが含まれているのか、ひとつひとつ確認していきましょう。

1-1.初期費用っていくら?発生する費用と相場

賃貸契約時の初期費用として発生する大まかな項目と費用の相場が下図になります。

今回は共益費込みの家賃を5万円として比較していきます。

初期費用/項目 敷金礼金あり 敷金礼金なし
敷金(保証金) 1ヶ月(5万円) なし
礼金(敷引) 1ヶ月(5万円) なし
家賃の前払い 2ヶ月(10万円) 2ヶ月(10万円)
仲介手数料 1ヶ月+消費税(5万4千円) 1ヶ月+消費税(5万4千円)
火災保険 2万円 2万円
保証人代行 契約による 契約による
合計 27万4千円 17万4千円

あくまでも目安ですが、敷金礼金がない物件であれば初期費用は十万円単位で変わることがあります。

新築物件を選ぶ時など物件によっては礼金が2~3ヶ月分になることもあるので注意しておきましょう。

また駐車場を借りる場合には、駐車場の賃料2ヶ月分や仲介手数料が別に発生します。

1-2.敷金・礼金の違いって?いつ払う?返ってくる?

前出の表でそれぞれの項目を大まかに確認しましたが、そもそも「敷金」と「礼金」って何が違うのでしょうか。

それぞれの違いを一言で表す場合、返ってくるか返ってこないかが大きなポイントです。

敷金とは主に「保証」として、礼金は文字通り「大家さん(管理会社)へのお礼」として扱われます。

敷金 礼金
支払う理由 保証金、預り金 大家さんへのお礼
返金の有無 あり なし

敷金とは何らかの事情で家賃が支払えなかったときのための保証や、退去時の原状回復にかかる費用の前預かり金として、礼金と共に契約時に支払うのが一般的です。

敷金イメージ

賃貸物件を退去する際は原状回復を求められることがほとんどで、原状回復にかかる費用を敷金で賄ったあとの差額(残金)が返金されます。

「原状回復」とは「入居前の状態に戻すこと」が原則ですが、故意に発生した破損でなければ経年上の自然損耗として扱われ、敷金が全額返ってくるケースも多くあります。

「故意」とは「わざと」ではなく「必要な注意を怠った」という意味になりますので注意しましょう。

地域によっては敷金を保証金、礼金を敷引などと表記していることがあります。

敷引は「預かった敷金(保証金)からこの金額を差し引いた額を返金します」というような意味があるので、消費者側からするとそれぞれ敷金や礼金と同じ感覚といえます。

※敷金の相場は1ヶ月程度ですが、保証金の場合は3ヶ月程度が必要になるケースもあります。
  

2.初期費用を抑える方法とお得な契約時期

ここまで賃貸契約時にかかる初期費用の相場を確認してきました。

ここからは初期費用の抑え方やポイントを紹介していきます。

2-1.敷金礼金なしのゼロゼロ物件

先述したように、敷金礼金が数か月分設定されている物件に対し、敷金礼金がゼロのいわゆる「ゼロゼロ物件」であれば初期費用は大きく抑えることが可能です。

2-2.大家さん(管理会社)への交渉

敷金や礼金が設定されている物件であっても、交渉次第では減額してくれることがあります。

交渉の際は自身で直接交渉するのではなく、仲介不動産を挟んで交渉してもらえるので担当の方へ伝えてみましょう

敷金礼金の減額が無理でも月々の賃料が安くなることもあり、長期契約の場合は敷金礼金ゼロになるよりお得になるケースもあります。

2つのお得2

2-3.フリーレント物件

フリーレント物件とは、最初の数か月分の賃料を無料にされている物件です。

フリーレント物件を選ぶことで、入居時に払う賃料を数か月分抑えることも可能です。

大家さんや管理会社により異なりますが、賃料1~2ヶ月分無料の物件が最も多く、時には3~6か月分が無料になる物件もあるので、物件概要をチェックしてみましょう。

フリーレント

2-4.入居日を調整する

初めに紹介した初期費用には家賃として2ヶ月分と記載していますが、必ず2ヶ月分を支払うわけではありません。

正確には、「入居日から当月末までの日割り家賃+翌月分の家賃」が必要になります。

家賃5万円の物件で4月1日に入居すれば2ヶ月分(10万円)が必要になりますが、4月30日に入居すれば「日割り家賃1日分(約1667円)+翌月分(5万円)」の初期費用に抑えられるということになります。

初期費用/項目 4月1日入居 4月30日入居
敷金(保証金) なし なし
礼金(敷引) なし なし
家賃の前払い 2ヶ月(10万円) 1日分+1ヶ月分(5万1667円)
仲介手数料 1ヶ月+消費税(5万4千円) 1ヶ月+消費税(5万4千円)
火災保険 2万円 2万円
保証人代行 契約による 契約による
合計 17万4000円 12万5667円

ただし契約から入居までの期間があまりにも長すぎると入居日の希望に沿わない可能性があるので、お部屋探しを始める時期を調整してみるのがおすすめです。

お部屋探しは、入居したい日の約1ヶ月前頃から始めるのが比較的効率の良いタイミングといえます。

3.礼金なしのデメリット

契約者側からすると無駄と感じてしまうことの多い礼金ですが、お部屋探しの際に「絶対礼金ゼロがいい!!」と視野を狭くしてしまうとデメリットが見えてこないことがあります。

ここではつい見落としがちな、礼金なし物件のデメリットを紹介します。

3-1.月々の家賃が高く設定されていることがある

まずはこのポイントを確認してみましょう。同地域の同じような間取りの物件があれば賃料を比べてみることで確認できます。

礼金なしの物件の場合、その他の物件に比べて数千円ほど高く設定されている可能性があります。

その点、賃料を交渉すると礼金が発生するケースがありますが、長期的に見てどちらが自身の条件に合っているか検討し、不動産会社に相談してみるのがおすすめです。

2つのお得3

3-2.契約者負担の費用が別に発生することがある

一般的に鍵交換費用やある程度のクリーニング費用は貸主の負担になりますが、礼金なしの物件であればそれらの負担を契約者に求めることがあります。

そうなれば初期費用に数万円の別途費用が発生することになりますので、契約前にしっかりと確認しておきましょう。

3-3.短期間で退去した場合は違約金が発生することも

礼金を設定しない代わりに、「最低契約期間」を設定している物件があります。

1年以内の短期解約で賃料2ヶ月分や2年以内の解約で賃料1ヶ月分など、物件によりさまざまなので、この点も契約前に確認しておきましょう。

最低契約期間
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